みなさんのなかには、骨伝導イヤホンを補聴器の代わりとして使用しようと考えている人たちもいるはずです。骨伝導イヤホンは骨の振動によって鼓膜と耳小骨を通さずに直接音を感じられるため、耳が悪い人でも音を聞き取れる可能性があると考えるのは理解できます。
とはいえ、骨伝導イヤホンが本当に補聴器の代わりとなっているのでしょうか。
この記事では、骨伝導イヤホンが補聴器の代わりになるのかの疑問について考察しています。また、iPhoneやAndroidなどのスマホで使用可能なおすすめの骨伝導イヤホンを3つ紹介していますので、骨伝導イヤホンを使ってみたい人たちは参考にしてみてください。
骨伝導イヤホンは補聴器の代わりになる?
さて、骨伝導イヤホンは補聴器の代わりになるのでしょうか?
結論から言えば、骨伝導イヤホンは補聴器を完全に代替すると言えません。通常、補聴器は専門店で購入した後、専門家が利用者の聴力に応じて調整して、初めて使えるようになります。
すなわち、骨伝導イヤホンに個々人の聞こえ具合を加味したチューニングがない以上、補聴器として使うのは限界があると考えておいたほうがよいでしょう。
ただし、外耳や中耳が正常に機能しなくなり音が伝わりにくくなる「伝音性難聴」の場合は、骨伝導イヤホンを使用することで音が聞き取りやすくなる可能性があります。骨伝導は耳の穴や鼓膜を介さずに音を聴けるので、伝音性難聴の方にとって聞き取りやすいわけです。
しかし、市販の骨伝導イヤホンは難聴に対応した器具ではないので、補聴器よりも劣ると考えたほうが無難でしょう。さらに、感音性難聴の場合は補聴器がないと聞き取りやすくならないの、耳鼻科の先生に必ず相談するようにしてください。
骨伝導イヤホンで難聴になる危険性はあるのか?
なお、逆に、骨伝導イヤホンを使用して難聴になる危険性はあるのでしょうか?
これに関しては、骨伝導イヤホンでも使い方を間違えると難聴になる危険性があります。これに関しては、補聴器専門店プロショップ大塚の公式ブログでも次のように記述されています。
骨伝導であろうと、普通のイヤホンであろうと、補聴器であろうと、蝸牛に大きすぎる振動が届いてしまうと、騒音性難聴(一般にイヤホン難聴ともいう)になってしまう可能性があります。ダメージを受けるのは蝸牛なので、機器の種類は関係なく、蝸牛に届く音量だけが重要です。
補聴器専門店プロショップ大塚『骨伝導とは?その仕組みと音質、安全性について』より引用(最終確認日:2023年5月30日)
上記の引用を踏まえると、骨伝導イヤホンでも耳に負担をかける音量を流せば、難聴になるリスクがあると言えます。したがって、音楽を聞くときは、くれぐれも耳に負担をかけないように注意してください。
とはいえ、普通のイヤホンと比べて耳を塞がずに音楽が聴ける骨伝導イヤホンは衛生的かつ、大音量で直接音楽を流さなくていいため、耳に良いとされています。
iPhoneでおすすめな骨伝導イヤホン3選
さて、iPhoneやAndroidなどのスマホで骨伝導イヤホンを使う場合、どのようなものを使用するのが聞こえやすいのでしょうか?
ここでは、集音機能がある骨伝導イヤホンを3つ紹介していきます。
おすすめ1 福耳骨伝 響-ひびき-
第1に、iPhoneやAndroidでおすすめの骨伝導イヤホンは、日本トラストテクノロジーが販売している骨伝導集音器「福耳骨伝 響-ひびき-」です。
数ある骨伝導イヤホンのなかでも、「福耳骨伝 響-ひびき-」はノイズが少なく、人の声が聴こえやすいのが大きな特徴です。眼鏡を掛けても装着できるので、目が悪い人でも違和感なく身につけることが可能なデザインになっています。
値段も1万円以内で買えるので手始めにはおすすめの商品であると言えるでしょう。
音楽を聴くだけではなく、外での会話が聞きづらいといった人にもおすすめします。
おすすめ2 オーム電機のOHMHP-BC500N
第2に、スマホで使えるおすすめの骨伝導イヤホンは、オーム電機のOHMHP-BC500Nです。
オーム電機のOHMHP-BC500Nは電源を入れると、骨伝導イヤホンと集音器が自動で接続される仕組みになっています。さらに、音楽操作や音量調節、電話操作にも対応しているので、iPhoneやAndroidで使用するには相応しい商品です。加えて、防水性能も完備しているので、雨の日でも安心して使えます。
おすすめ3 boneinのBN-702T-B
第3に、boneinのBN-702T-Bは集音送信機付きのワイヤレス骨伝導ヘッドホンとしてスマホで使うのに適した商品です。
BN-702T-Bは最大12時間と長時間使用可能なのが特徴です。加えて、電話操作、音楽操作、音量調査もヘッドホンの多機能ボタンを押すだけなので、初めて骨伝導イヤホンを使う人にもおすすめの商品であると言えます。色もブラックなので、どのような格好に合うでしょう。
補聴器の使用は医師に相談しよう
たしかに、集音機能が付いている骨伝導イヤホンは補聴器と類似した効果を持っているので、耳が悪い人にとって便利な道具になる可能性はあります。けれども、難聴の症状によっては骨伝導イヤホンでは対応しれきない可能性は高いと言えます。
その意味では、骨伝導イヤホンを補聴器の代わりに使用するのはあまりおすすめできません。むしろ、難聴になったときは医師と相談したうえで、適切な補聴器を購入したほうがよいと考えられます。ただ、骨伝導イヤホンは耳の穴を塞ぐ通常のイヤホンよりは耳への負担を減るのでおすすめです。
これを機会に「イヤホン難聴」の防止対策として使ってみてはいかがでしょうか。
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