みなさんのなかには、耳を塞ぐタイプのイヤホンやヘッドフォンではなく、骨伝導イヤホンを使ってみようと考えている人たちもいるはずです。特に、伝音性難聴を抱えている人たちにとって、骨伝導は音楽を聴く環境を整えられる可能性があるので魅力的ですよね。
しかしながら、骨の振動を通じて音を聞き取ることに慣れていない人たちからすれば、健康上のリスクが気になりますよね。実際のところ、骨伝導イヤホンが身体にネガティブな影響を与える可能性はあるのでしょうか?
この記事では、「骨伝導イヤホンは体に悪いのか?」という疑問について考察しています。具体的には、めまいの有無や使用上の注意点もまとめているので、骨伝導イヤホンの使用を検討している人たちは参考にしてみてください。
骨伝導イヤホンは体に悪いのか?
さて、骨伝導イヤホンは体に悪影響をもたらすのでしょうか?
結論から言えば、骨伝導イヤホンが体に悪いという科学的根拠を示す情報は現在のところ、ありません。実のところ、私たちにとって骨伝導は身近なものです。あまり知られていませんが、自分の声は骨伝導で聞こえています。ビデオで撮影したときの声が普段、聴いている音と違うのは、このためです。
したがって、骨伝導イヤホンは身体構造上、自然な方法で音を聞き取る技術であると言えるでしょう。
ただし、伝統的なイヤホンやヘッドホンと同様に、長時間や大音量での使用は聴覚にトラブルを引き起こす可能性があるので注意してください。耳に負担がかからないように、こまめに休憩時間を設けながら、適切な利用を心がけましょう。
骨伝導イヤホンでめまいが起きる可能性はある?
また、骨伝導イヤホンでめまいが起きる可能性はあるのでしょうか?
これに関しては、耳を塞ぐタイプのイヤホンと比べて、骨伝導イヤホンはめまいや頭痛、吐き気といった症状が出にくいと言われています。もちろん、ケースバイケースであるため、心配な方は安価な製品を購入し、一度試してみることを推奨します。
もし、骨伝導イヤホンを使用して気持ち悪くなった場合は、耳鼻科の医師に速やかに相談してください。とりわけ、難聴を患っている可能性のある方は早期の発見と治療が必要です。自分で勝手に判断するのではなく、専門家に頼りましょう。
骨伝導イヤホンは外耳や中耳ではなく、骨を通じて内耳に直接、音を届ける仕組みであるため、耳に及ぼす悪影響は少ないと考えてよいでしょう。
骨伝導イヤホンを使用するときの注意点
なお、骨伝導イヤホンを使用する場合は、いくつかの注意事項があります。
ここでは、気を付けるべきことを3つ紹介していきます。
注意1 音漏れしやすい
はじめに、骨伝導イヤホンは伝統的なイヤホンやヘッドホンと比べて、周囲に音漏れしやすいので気をつけてください。
骨伝導イヤホンは音を頭蓋骨を通じて伝えるため、大きな音量で使用すると他人にも音が漏れる可能性があるのです。とりわけ、公共の場所や周囲の静寂が求められる環境で使用する際は、くれぐれも注意しましょう。
なかには、音漏れしない技術に特化しているものもあるので、口コミをチェックしてから購入を検討してくださいね。
注意2 低音の再現性が弱い
続いて、骨伝導イヤホンでは、低音のクオリティが少しばかり劣るという難点があります。
実のところ、低音は骨などの物体を媒体にして伝わるときに相当なエネルギーを消費します。そのため、骨伝導での再現性はどうしても悪くなってしまうのです。音質にこだわりがある方は従来のイヤホンやヘッドホンよりも満足できない可能性があるので、気をつけてください。
とはいえ、近年では、SHOKZのような低音の伝達にこだわっているブランドも誕生しています。高額ではありますが、
注意3 大音量で聴くのは控える
最後に、骨伝導イヤホンは伝統的なイヤホンやヘッドホンよりも耳への負担が少ないと言われていますが、長時間にわたって大音量で利用すれば難聴のリスクが高まります。
骨伝導イヤホンにかかわらず、最近では「スマホ難聴」という「音響外傷」と呼ばれる聴覚障害のひとつが問題になっています。具体的に言うと、長時間、また場合によっては短時間でも、大きな音で音楽を聴き続けることが原因で起こります。
スマホで音楽を聴くのが当たり前になっているからこそ、耳に優しい利用方法を習慣として身につけておかないと、将来的に音楽を聞けない耳になってしまうので気をつけてください。
頭痛やこめかみが痛いときはネック型もおすすめ
なお、骨伝導イヤホンを使用したときに頭痛にこめかいが痛いといったトラブルが起きた場合は、ネックバンド型のイヤホンを検討してみてください。
イヤホンのタイプによって一長一短はありますが、日常的に使用する音声機器は自分の身体に適したものを使うことが大切です。日々の積み重ねが知らないうちに耳に負担をかけてしまうと、一生後悔するかもしれません。
ちょっとした違和感を抱いたときには、すぐに耳鼻科の医師に相談しましょう。早期発見と治療が難聴の問題を解決するうえで最も重要なポイントであることを忘れないようにしてくださいね。
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