みなさんのなかには、宮崎駿監督の『ハウルの動く城』と新海誠監督の『すずめの戸締り』を見たことのある人たちもいるでしょう。両者いずれにしても人気映画で世の中で話題になりました。一方で、視聴者のなかには、どことなく2つの作品が似ていると考えている人たちもいるようです。
実際のところ、『ハウルの動く城』と『すずめの戸締り』は、どこが具体的に似ているのでしょうか?
この記事では、すずめの戸締まりとハウルの動く城が似ていると言われる3つの理由を解説しています。両方の映画を見てなんとなくモヤモヤしている人たちの参考になれば幸いです。
すずめの戸締まりとハウルの動く城が似ていると言われる3つの理由
さて、『ハウルの動く城』と『すずめの戸締り』が似ていると言われるのは、どうしてなのでしょうか?
その理由は大きく3つあると考えられます。
理由1 ハウルと宗像草太が似ている
第1に、ハウルと宗像草太のキャラクターに共通点が多いことから、両者が似ていると評価している人たちがいます。
具体的に言えば、ハウルも、宗像草太も黒髪ロングの髪型である点は同じです。さらに、ファッションもどことなく似ているという人たちもいます。なかには、宗像草太を見て「ハウルやん」と突っ込んでいる人たちもいるようです。
Twitterで「ハウル 草太」と検索すると、両キャラクターが似ていると指摘している投稿が多数、表示されることからも多くの人たちが類似性があると考えていると言えます。
しかし、彼らの性格は全くもって異なります。ハウルが感情の起伏が激しいのに対して、宗像草太の内面は比較的に安定していると言えます。その意味では、ハウルをモデルにして制作されたとは考えられないでしょう。
理由2 ヒロインに救われる
第2に、『すずめの戸締り』も『ハウルの動く城』もヒロインによって主要男性キャラクターが救われるという点で共通しています。
具体的に言えば、『すずめの戸締り』では、主人公の岩戸鈴芽によって、椅子に化けさせられた宗像草太が救われます。そして、『ハウルの動く城』でも、主人公のソフィーが臆病なハウルを支えるような構図になっています。このことから両作品が似ていると感じる人たちがいるのです。
しかしながら、女性によって男性が救われるというストーリーの構成は他の作品でもいくらでも使われています。いつの時代も魅力的な男女のラブストーリーは数えきれないほど創作されているのです。したがって、それだけをもって似ていると評価するのは少々、無理があると言わざるを得ないでしょう。
理由3 ドアを開けると異世界が広がる
第3に、『すずめの戸締り』と『ハウルの動く城』では、「ドア」を開けると別世界に繋がるという点が共通していることから、似たようなシーンが多いと感じる人たちもいます。
たしかに、両作品に登場する「ドア」はドラえもんの「どこでもドア」的な要素を持っており、異次元の空間にアクセスするという点では似ています。魔法やまじないをはじめとする超現実的な要素が含まれているので、扉の役割が重なったのかもしれません。
特に、『ハウルの動く城』でも少年期のハウルがいる過去の世界と繋がるため、『すずめの戸締まり』で鈴芽が幼少期の自分に会いに行ったときのシーンの情景と重なりますよね。その意味では、『すずめの戸締まり』が『ハウルの動く城』の世界観に影響を受けていると評価する人がいるのも肯けます。
物語のテーマは全く異なる
たしかに、『ハウルの動く城』と『すずめの戸締り』には、いくつかの共通点があるのは事実です。しかしながら、両者の物語は全く異なります。
『ハウルの動く城』が「老い」と「美しさ」の複雑な関係をテーマにしているのに対して、『すずめの戸締まり』は「災害」をテーマに制作されています。実際、両者に部分的な類似点は見受けられても、ストーリー展開は似て非なるものです。
そして、どちらも心から楽しめる名作と言えるでしょう。宮崎駿監督と新海誠監督は世界で通用する日本の貴重な映画監督です。『ハウルの動く城』や『すずめの戸締まり』以外にも、素晴らしい作品がたくさんあるので、また視聴していない人たちはチェックしてみてください。
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