カラオケに行ったことのある人ならば、一度は「デンモク」を操作した経験があるでしょう。ここ数年で見た目も機能もバージョンアップされて、楽曲を予約する以上の価値を発揮しています。言葉としても普及しているわけですが、改めて「デンモク」の正式名称を聞かれると、わからない人たちもいるはずです。
この記事では、「デンモクとは何の略なのか?」という疑問について考察しています。気になる意味や歴史、DAMとの関係性についても説明しているので、カラオケが好きな人たちは参考にしてみてください。
デンモクとは何の略なのか?
デンモクとは、第一興商が商標登録した「電子目次本」の製品名です。特許情報プラットフォーム「J-PlatPat」で検索すると、2004年11月12日に「デンモク」の登録情報が更新されています。
電子目次本とは、通信カラオケで曲名を検索して予約するための機器を意味しています。デンモクは「電子目次本」を省略することで生まれた名称のアイディアであると考えられます。
デンモクはDAM特有の呼び方
第一興商によって商標登録されている以上、デンモクはDAM特有の呼び名です。すなわち、DAM以外のJOYSOUNDでは別な名称を使わなければいけないわけですが、どのような名前なのでしょうか?
JOYSOUNDの電子目次本は「キョクナビ」という名前が付けられています。ひと目見てわかるように、デンモクの役割とほとんど一緒です。とはいえ、カラオケの室内で「キョクナビ取って!」という人たちはほとんどいないですから、「デンモク」という名称が一般的に普及していると考えてよいでしょう。
デンモクはいつからあるのか?
なお、昔は曲名が記録されている分厚いカタログを歌の予約時に使用していましたが、現在はタッチパネル式の「デンモク」が主流です。気がつけば、電子目次録が当たり前のように使われていますが、いつ頃から普及し始めたのでしょうか?
結論から言えば、デンモクは2002年から使われて始めたようです。電子化のきっかけについては環境への配慮があったと言われています。
「目次本発行部数のピーク時は、年間で約7800トンの紙を使用していました。第一興商では環境に配慮するため、業界初となる目次本とリモコンを一体化した電子目次本『デンモク』を開発しました」
J-CASTニュース『カラオケ「曲探しの分厚い本」は絶滅か 今どきの子は知らない…業界大手に聞く』より引用(最終確認日:2023年3月10日)
当時のカタログは五十音順に整理されていたとはいえ、曲を探すのにかなりの手間がかかっていました。けれども、デンモクならキーワード検索で瞬時に楽曲を発見できます。それに慣れている人からすれば、昔の人たちは随分と不便だったと感じるかもしれませんね。
とはいえ、2020年まで紙媒体のカタログも生産されていたようです。高齢者世代からすればタッチパネル式のデンモクよりもカタログの方が慣れているのかもしれません。
AIの力を活用して進化している
近年では、デンモクにもAIの技術が活用されており、利便性が向上しています。例えば、第一興商が販売している「SmartDAM Ai(TM30)」は利用者の好みを学習し、使う度により適切な選曲をしてくれるのです。さらに、曖昧なキーワードでもAIによるアシストで探している楽曲を検出してくれます。
カラオケボックスの用途が拡大しているなかで、デンモクのあり方も変わっていくかもしれません。第一興商をはじめとするカラオケ産業から今度も目が離せません。
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