くまのプーさんは長年にわたって人々から愛されるキャラクターです。しかしながら、プーさんの名前について詳細を知っている人たちは意外にも少ないのではないでしょうか。実のところ、「くまのプーさん」にはちゃんとしたフルネームが存在するんです。
この記事では、「プーさんの本名は何か？」という疑問について考察しています。また、ウィニーではなくサンダースと誤解された理由もまとめているので、プーさんについて知りたい人たちは参考にしてみてください。
くまのプーさんの本名は何か？
ディズニーのキャラクターとしても親しまれている「くまのプーさん」の本名は何なのでしょうか？
結論から言えば、くまのプーさんの本名は「ウィニー・ザ・プー」です。英語表記では、「Winnie-the-pooh」です。A・A・ミルンが制作した原作のタイトルが「Winnie-the-Pooh」であることが根拠であると言えます。原作の紹介文でも「「Winnie-the-Pooh」という表記が使用されています。
Since 1926, Winnie-the-Pooh and his friends—Piglet, Owl, Tigger, and the ever doleful Eeyore—have endured as the unforgettable creations of A.A. Milne, who wrote this book for his son, Christopher Robin, and Ernest H. Shepard, who lovingly gave Pooh and his companions shape.
amazon『Winnie-the-Pooh ペーパーバック – イラスト付き, 1992/8/1』より引用（最終確認日：2024年3月27日）
ウィニー・ザ・プーという本名が付けられた背景
実のところ、「ウィニー」という名前は、実在した雌の熊を元にしていると言われています。具体的には、プーさんの本名が「ウィニー」になったのは以下のような背景があります。
1914年、第一次世界大戦中にカナダの軍獣医ハリー・コルバーン中尉は親のいない雌の黒い熊を20ドルで購入しました。コルバーン中尉は熊を故郷のウィニペグになぞらえて「ウィニー」と名付けました。その後、1919年にウィニーはロンドン動物園に寄贈されました。
なんと、その動物園でA・A・ミルンの息子が「ウィニー」と出会ったことがきっかけで自分が持っている熊のぬいぐるみに「ウィニー」という名前をつけたのです。これが「くまのプーさん」が「ウィニー・ザ・プー」という本名になった背景です。プーさんのモデルが実在したのは驚きですよね。
また、A・A・ミルンが息子クリストファー・ロビンを深く愛していたことを物語るエピソードであるとも言えるでしょう。事実、息子の名前もちゃんとプーさんの物語に登場しています。
「ウィニー」という名前は女性に使われるものですが、プーさんの性別は不詳です。
サンダースが本名であると誤解された理由
なお、プーさんの本名が「サンダース」であると誤解されたことがあります。そもそも「サンダース」がプーさんの本名である言われるようになったのは、絵の中に登場するプーさんの家にある表札に「MR.SANDERS」と書かれていたことに起因します。
さらに、プーさんの絵本が日本語訳されたときに、「森の中にぬいぐるみのくまがすんでいました。名まえは、サンダースといいます。」と明確に書かれていました。
これらを考慮すると、プーさんの本名は「ウィニー」ではなく「サンダース」と主張するのはよくわかりますよね。けれども、これは「Winnie-the-Pooh lived （略）under the name of Sanders」を誤訳したと言われています。すなわち、「サンダースという表札の下に住んでいました」が正しい訳だったのです。
ちなみに、「MR.SANDERS」という表札は前の家主が使っていたものだそうです。へんてこな設定もまた、プーさんの可愛らしさがあってよいですよね。
プーさんは本名は長いわけではない
改めて、プーさんの本名は「ウィニー・ザ・プー」です。非常にシンプルなフルネームですから、長いとも言えないでしょう。
特筆すべきは、ウィニーの名前が実在する熊をモデルにしていたということです。それも原作者の息子が好きだった熊の名前に由来するなんて、児童文学作家らしいエピソードですよね。
くまのプーさんを作ったA.A.ミルンの優しい世界観がディズニーの力によって具現化されて、今では知らない人はいないと言ってよいくらい愛されている。ひとつのキャラクターが生まれるのに、これだけ数多くの人たちとエピソードが関わっていることを思うと、プーさんは歴史ある存在と言えるでしょう。
