いうまでもなく、カラオケルームは利用者だけで使う密室空間になりやすいですよね。そのため、一緒に訪れた友達と他人の目を憚らずに馬鹿騒ぎをしたり、意味不明なテンションでダンスしたりするなど、その場だけの勢いで楽しんでいる人たちもいるはずです。なかには、カップルでいちゃいちゃするなんて人もいるかもしれません。
だからこそ、監視カメラの存在には敏感になるはずです。実際、自分の恥ずかしい姿が記録に残っていると思うと、気が気でなくなることもあるでしょう。実際のところ、カラオケには監視カメラが設置されているのでしょうか?
この記事では、「カラオケの部屋に監視カメラはあるのか?」という疑問について考察しています。また、監視カメラがない店の存在や法律の問題にも触れているので、カラオケを日頃から利用している人たちは参考にしてみてください。
カラオケに監視カメラはあるのか?
さて、カラオケには監視カメラが設置されているのでしょうか?
結論から言えば、カラオケに監視カメラは設置されています。例を挙げると、ドーム型やボックス型のカメラが備えつけられています。店舗によっては小型カメラが付いている場合もあるでしょう。
具体的な設置場所は以下のとおりです。
カラオケで監視カメラが設置されている場所
- その1 店内の通路
- その2 店外の出口や裏口付近
- その3 カラオケルームの内部
ただし、カラオケルームに関しては、各事業者が定める方針によって違いがあります。すなわち、利用者のプライバシーを保護することを優先している場合は、ボックス内に監視カメラを設置していない店もあるわけです。実際、「カメラがあるとわかったら利用したくない」というお客さんもいますよね。
とはいえ、カラオケ店を営む事業者は監視カメラを設定している事実を公表しているわけではありません。実際、公式HPでも、わざわざ監視カメラがあることを記載している店はないと言ってよいでしょう。その意味では、関係者以外に真実を把握する術はないと言わざるを得ません。
けれども、Twitterの検索エンジンで「カラオケ 監視カメラ」と調べると、持ち込み禁止の場所でコンビニのお菓子を食べていたら店員から注意されたり、カップルでイチャイチャしていたら警察に通報されたりするなど、自分の体験について投稿している人たちがたくさんいます。
だからと言って、真偽は明らかにすることはできませんが、監視カメラは設置されていると考えたほうがよいでしょう。
カラオケに監視カメラが設置されている理由
それでは、監視カメラを設置しているカラオケ店には、どのような事情があるのでしょうか?
その理由は大きく4つあると考えられます。
理由1 飲食物の持ち込みをチェックする
第1に、飲食物の持ち込みをチェックするために監視カメラを設置している可能性があります。
いうまでもなく、売り上げの減少を防止するために、コンビニなどで購入した食べ物や飲み物の持ち込みを禁止しているカラオケ店はたくさんあります。しかしながら、利用者のなかにはバレずに隠して持ってくる違反者も存在するのです。
だからこそ、怪しい利用者の動向を監視カメラで確認することによって、ルール違反の実態を暴くことができるわけです。店員は動かぬ証拠を持って注意できるので、客とトラブルになったとしても立場を守ることが可能になります。
理由2 犯罪防止のために設置している
第2に、ルーム内で犯罪が起きないようにために監視カメラを設置しているカラオケ店があります。
実際のところ、カラオケ店は性犯罪などの事件が多発しています。
鍵こそ付いていませんが、カラオケボックスは密室空間かつ大音量が流れているので、その性質を悪用するトラブルが後を絶たないわけです。恐ろしいことに、いざ被害を受けたとしても、だれも気づいてくれない危険性もあります。
したがって、ルーム内に監視カメラが設置されていることが一般的に周知されることで、店内で発生する犯罪を未然に防げる可能性は少なからずあると言えるでしょう。
理由3 バイトテロを防止する
第3に、アルバイト定員によるバイトテロを防止する働きがあると考えられます。
いわゆる、バカッターやバカスタグラムと呼ばれている人たちが仕事先での悪戯行為をソーシャルメディアにアップした結果、お店の社会的信頼が失墜して大損害を被るといった事件が一定の頻度で発生しています。本人たちは軽いノリで遊んでいるだけかもしれませんが、アルバイトを雇っている側からすれば取り返しのつかない損失を出すおそれがあります。
しかし、監視カメラが設置されていれば、「バレる可能性がある」という意識を植え付けることができるので、バイトテロの発生確率を引き下げることができるかもしれないのです。利用客だけではなく、従業員の管理にも監視カメラは役立つ仕組みであると言えるでしょう。
理由4 業務改善に利用する
第4に、監視カメラの映像を業務改善に役立てるという発想もあるようです。
これに関しては、カラオケ館を営む株式会社B&Vの柿内康男さんがウェブカメラサービスのセーフィーを店舗に導入する意義について次のように説明しています。
柿内さん:私たちIT管理部で監査の観点から使っているほかに、営業、スーパーバイジング、また人材教育などの部署でも活かしています。同じ映像でも、部門によって視点がかなり違ってきますね。営業ならお客様の流れを見たり、売り上げが伸び悩んでいる店で施した対策の効果をチェックしたりします。スーパーバイジングや人材教育では、研修をしたあとに日常の業務で指導内容が実行できているかどうか、カメラを通して定期的に見ることができます。今後データが積み重なっていけば、スタッフの動線や飲食の勧め方などの業務改善につながる情報が得られるだろうと期待しています。
セーフィー公式HP『業界大手「カラオケ館」でのセーフィー活用方法と店舗運営の理想形とは』より引用(最終確認日:2023年1月31日)
たしかに、日常業務の様子をカメラで記録していれば、店舗別に従業員の行動をチェックできます。監視されている側は働きづらさを感じるおそれもありますが、業務遂行に伴う問題解決が促進されるならば、かえって働きやすくなる可能性もあると言えます。アルバイトを含めて監視カメラを設置する理由を明確に説明しさえすれば、納得感もあるはずです。
ルーム内に監視カメラがない店舗
そうは言っても、ルーム内に監視カメラがないカラオケ店のほうが思いっきり歌えるという人もいますよね。
実際のところ、日本国内のカラオケで監視カメラをボックス内に設置していない店はあるのでしょうか?
これに関しては、カラオケバンバン、ジャンカラ、ビッグエコー、まねきねこなどの有名なカラオケ店の公式HPを確認しましたが、監視カメラがないという情報はありませんでした。
実際に、カメラがないカラオケ店も存在するに違いありませんが、防犯対策の関係上でカメラの有無に関する情報はクローズにしておいたほうがよいと考えられます。
監視カメラが法律問題になるおそれもある
けれども、カラオケ店の監視カメラは設置方法次第では法律問題になるおそれもあるようです。したがって、導入するときは個人情報保護法に強い弁護士に相談して、法令に則った環境を整える必要があります。
利用者が安心できるカラオケ店を目指す上でも、「どこまでを監視するのか?」と「何のために監視するのか?」という2つの問いに対して明確に示す必要があると思います。
もちろん、事業者の都合もあるので、必ずしも何でも公表すればよいというわけではないかもしれませんが、リスクとリワードを評価したうえで利用者が損をしないバランスを見極める必要があります。
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