back number(バックナンバー)はメロディもさることながら、歌詞の表現力が卓越した人気バンドです。人間の情念を言語化する資質に対して、一部の人たちは「やばい」と熱烈に評価する人たちもいます。
とはいえ、実際のところ、どうして彼らの歌詞は「やばい」くらいに凄いと言われるのでしょうか?
この記事では、back numberの歌詞がやばいと言う理由3選を解説しています。また、「どこがいいのか?」という楽曲の魅力についても紹介しているので、back numberについて知りたい人は参考にしてみてください。
back numberの歌詞がやばいと言う理由3選
さて、back numberの歌詞がやばいと言われるのは、どうしてなのでしょうか?
その理由は大きく3つあると考えられます。
理由1 人の感情に真っ直ぐ向き合っている
第1に、back numberが作成する曲の歌詞からは人の感情に真っ直ぐ向き合っている姿勢がひしひしと伝わってくるので、「やばい」と言われていると考えられます。
例えば、人気曲の『瞬き』では、次のような歌詞が綴られています。
ともすれば、幸福な状態を煌びやかで満足した状態と考える人たちもいるかもしれませんが、人生はそんな簡単なものではありません。むしろ、本当に苦しいときに親身になってくれる人の存在があることが人間らしい幸せを享受できる瞬間でもあります。
そして、それは助けられる側が感じるだけではなく、助ける側も他人に起きた不幸を自分のことのように感じられるほど大切な人に巡り合ったという幸せがあることを教えてくれます。お互いに大切な存在があるからこそ、不確実な人生のネガティブイベントも何とか乗り越えることができるわけです。
こうした価値観を歌詞で表現できるback numberの詩心に強い共感や気づきを得た人たちもいるでしょう。
理由2 悲哀をありのままに表現している
第2に、back numberの歌詞は厳しい現実を無理やり美化するのではなく、悲哀をありのままに表現する勇気があることから、「やばい」と言われることがあります。
特に、大ヒットソング『水平線』の歌詞は賛否両論があるものの、世の中の残酷さから生まれる悲しみを悲しみのまま表現した名曲です。
一見すると、人間の汚い感情が露骨に表現されているので、受け入れがたい人たちもいるかもしれません。しかし、苦しみの渦中にいる人が抱える疑念を包み隠さずにありのまま表現するからこそ、本当に辛い人の心に寄り添うことができるはずです。その勇気こそ「やばい」と絶大な指示を得る結果に繋がったと考えられます。
なお、水平線について知りたい人は次の記事も読んでみてください。
理由3 身体感覚を使った比喩がうまい
第3に、back numberの歌詞には身体感覚を伴った比喩がとてもよく表現されています。
具体的に言えば、『思い出せなくなるその日まで』のサビは失恋したときの苦しみを見事に表現しています。
たしかに、本気で恋に落ちると相手と自分は分けることが難しくなるくらい、恋人の存在が人生の一部になっていきますよね。その感情を「私の半分」と表現するのはシンプルですが、苦しみの体感を浸透させるようなわかりやすさと切なさがあります。
とりわけ、比喩は複雑な感情を表現するのに適した文章表現ですから、その強みを活かした楽曲は聞いていると自然と涙がこぼれ落ちそうになります。
back numberのどこがいいのか?
以上の理由を踏まえて、「back numberのどこがいいのか?」という問いには、どのように答えられるのでしょうか?
当然、音楽の感じ方は人それぞれによって異なりますが、彼らの良さは人間の感情に歌詞に留める心根にあると思います。もちろん、昨今、スキャンダルが取り上げられるなど、色々と問題を抱えているという話はあるのかもしれません。
事の真相はわかりかねますし、人を傷つける行為は心を扱うミュージシャンとしても決して許されることではないでしょう。けれども、完璧な人はこの世にはいません。生き方に癖があるからこそ、表現できる世界観があるのも事実です。
だからといって、何をしてもよいわけではないし、有名になるからこそ清廉潔白さが求められるのが社会なのかもしれませんが、恋の複雑さや厳しさを身をもって知っているのも事実なのではないでしょうか。擁護するつもりはありませんが、不完全さを全く許容しない社会になればなるほど、生きづらく人もいるでしょう。
これからの活躍に更なる期待
back numberは歌詞を綴る力に長けた日本のバンドです。彼らの歌に救われた人たちもたくさんいるはずです。類稀なる才能と努力、そして人生経験を結晶化した音楽をこれからも世の中に贈り続けてほしいです。
彼らの心や今置かれている状況を知ることはできませんが、一人のリスナーとして敬意を持ちつつ、新曲を楽しみに待っています。
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