みなさんのなかには、太田雄美さんが歌う『木綿のハンカチーフ』という名曲が好きな人たちもいるはずです。田舎から都会に出た愛する人を一途に想う女性の心情とは裏腹に、価値観が変わっていく男性のすれ違いは今、耳にしても切ない気持ちになります。
だからこそなのか、『木綿のハンカチーフ』の歌詞に登場する女性や男性の立場になって、一方を「ひどい」と評価する人たちも少なくないようです。ここには、恋愛の価値観が反映されているような気がします。
この記事では、木綿のハンカチーフに登場する男性がひどいと言われる理由を解説しています。また、女性が悪いという人の意見も考察しているので参考にしてみてください。
【木綿のハンカチーフ】歌詞の男性がひどい3つの理由
さて、名曲『木綿のハンカチーフ』の歌詞に登場する男性は、どうして「ひどい」と言われるのでしょうか?
その理由は3つあると考えられます。
理由1 恋人が求めていることを理解していない
第1に、歌詞に出てくる男性は恋人の女性が求めていることを全く理解していないのが「ひどい」と言われる理由であると考えられます。
たしかに、1番から3番では、男性から女性に対する全ての提案が「いいえ」の一言で諭されていますよね。
すなわち、彼女は田舎にいたときと同じように変わらぬ愛情を求めている一方で、男性は高価な贈り物を買おうとしたり、華やかなスーツ姿の写真を見せようとしたり、自分を取り巻く環境の変化に浮き足立っていて、相手の気持ちをよくわかっていない様子なのです。
田舎で健気に恋人の帰りを待つ女性の心情を想うと、彼の言動が「ひどい」と評価されるのも理解できます。
理由2 都会の価値観を押し付けてくる
第2に、都会に出た男性は田舎に住む女性に価値観を押し付けるようなシーンがあります。
具体的に言うと、歌詞の3番で次のような一節が出てきます。
「都会に染まらずにいてほしい」という彼女の願いも虚しく、都会の艶やかな女性たちがつけている口紅を当たり前にように見ていた彼はすっぴんのままで化粧もしないのかと問いかけているわけです。そこには、田舎暮らし時代の彼の姿はなく、都会のスタンダードを彼女に自然と求める姿が垣間見えます。
理由3 待っている恋人を見捨てた
第3に、最終的に田舎で待っている恋人を見捨てたことから「ひどい」と言われていると推測されます。
歌詞の流れから予想できることですが、都会の生活が楽しい彼は故郷で待つ彼女を捨ててしまいました。そして、最後の願いが涙を拭う木綿のハンカチーフをくださいというわけです。健気な彼女の気持ちを無碍に扱う彼に対して「ひどい」と感じる人がいるのも無理はないでしょう。
女性が悪いという意見もある
一方で、男性ではなく女性が悪いという意見もあります。
たしかに、女性は彼の言葉に対して一度も受け止めることなく、何度も「いいえ」と何度も否定しています。都会に出た以上、価値観が変わるのは当然ですから、彼に対して寄り添う姿勢を全く見せなかった女性側にも問題があるのは理解できますよね。
もしかしたら、彼女が彼の見ている世界を尊重して、都会の良さを学びながら接していれば、彼もまた故郷の良さを大切にしてくれたかもしれません。歌詞の世界ではありますが、どちらも譲らないわがままな二人という見方もできるでしょう。
男女のどちらかにかかわらず、恋人だからこそ自分の価値観を認めてもらったり、受け入れてもらったりして欲しいと願うのは自然なことです。それが叶わない関係になれば、うまくいかはずがありません。その意味では、別れるのが正解だったと言えるかもしれませんね。
環境の変化で価値観は変わる
人間は環境の変化によって価値観が大きく変わることがあります。特に、田舎から都会に出るといった相反する生活環境に身をおけば、縁する人や物が変化するので変わらないほうが不思議です。生き方が定まらない青春を生きる若者は白いキャンパスのような状態ですから、新しいものを柔軟に受け入れていきます。
きっと、木綿のハンカチーフに登場する彼も自分の故郷では見たこともないようなものに触れて、視界が開けていったのかもしれません。
けれども、いずれは落ち着いて振り返る時がきます。その時に、自分を心から愛しているくれる人を失ったことに気づいても、時すでに遅しです。田舎や都会に関係なく、大切な人の気持ちに寄り添わなければ、いつかは心がすれ違っていきます。優先順位の置き方を間違えないように気をつけなければいけません。
コメント