みなさんのなかには、扁桃炎で悩んでいる人たちもいるはずです。とりわけ、歌うのが好きな人たちからすれば、扁桃腺の不調で声が出しづらくなるのは辛いですよね。加えて、なかには、扁桃腺を取ると歌が上手くなるという噂を聞いて、興味を持っている人たちもいるでしょう。
実際のところ、扁桃腺を切除すると歌が上手になるのでしょうか?
この記事では、「扁桃腺を取ると歌が上手くなるのは本当なのか?」という疑問について考察しています。また、扁桃腺を切除した後に声が変わる理由も紹介しているので参考にしてみてください。
扁桃腺を取ると歌が上手くなるのは本当なのか?
さて、扁桃腺を切除すると、歌が上手くなるのは本当なのでしょうか?
結論から言えば、扁桃腺を取っても歌が上手くなるわけではありません。そもそも、歌の上手さは音程を正しく認識して、リズムに応じて発声する能力に左右されます。すなわち、扁桃腺を取っても、音程やリズムを正確に認知する力が欠如していると、歌は下手なままなわけです。
けれども、元から音程とリズムを合わせられるなら、扁桃腺を切除したことで声が出しやすくなる可能性があるので、歌唱力が向上する場合もあるでしょう。実際、アイドルグループ・ももいろクローバーZの有安杏果さんは、医師とマネージャーと相談して、歌のために扁桃腺を取る手術をしています。
有安は7日に更新したブログで改めて「私、先日、扁桃腺摘出手術をしました」とファンに報告。「10月末からいきなり慢性化してしまい扁桃炎を繰り返すようになっちゃって…このままじゃ大好きな歌が歌えない!!ってことでお医者さんとマネージャーさんと相談してお口の中から扁桃腺を取ることにしました」と明かした。
エンタメRBB『ももクロ・有安杏果、扁桃腺摘出手術受けていた 「このままじゃ大好きな歌が…」』より引用(最終確認日:2023年5月12日)
なお、音痴は適切なトレーニングを実行すれば改善できると言われています。誤解している人たちも多いのですが、音痴は遺伝ではありません。これに関しては、以下の記事を参照してください。
扁桃腺を切除すると声が変わるのか?
また、扁桃腺を切除すると、声が変わる可能性はあるのでしょうか?
これに関しては、扁桃腺の形状によって声が変わる人と変わらない人がいるようです。もちろん、扁桃腺は声帯とは異なるので、「声が変わるわけがない」と思っている人もいるかもしれませんが、自分の扁桃腺が声帯に日常的に影響を与える形になっている場合は声質に何らかの影響が出る可能性はあるでしょう。
実際、Twitterで「扁桃腺 取った 声」というキーワードを検索すると、切除後に声が変化した人と変化していない人の体験が投稿されています。
以上のことから、もし扁桃腺の摘出で声が変わるのが不安な場合は、担当医師に相談する必要があります。とりわけ、歌手を目指している人たちにとっては人生を左右する大きなことなので、結果に対して納得できるように慎重な判断が求められるでしょう。
歌いすぎは扁桃腺に悪影響があるのか?
なお、カラオケで歌いすぎると、扁桃腺に悪影響があるのでしょうか?
もちろん、喉が潰れるくらいカラオケで歌いすぎると、扁桃腺や声帯を痛める危険性があります。これに関しては、慶応義塾大学医学部(東京都)耳鼻咽喉科の福田宏之・助教授が次のように述べています。
「声帯は左右2本ありますが、日常会話でも毎秒男性で100回、女性では250回も擦れ合って動いています。歌を歌うとさらに猛スピードで振動し、ソプラノになると毎秒1,000回以上も振動します。しかも、瞬時瞬時に筋肉を使って声帯を厚くしたり伸ばしたりして形状を変化させ、音の高低を調節しています。このため、長時間歌うと、声帯を支配している筋肉が疲労すると同時に粘膜も疲労し、声帯を痛めやすくなります」
メディカルトリビューン『カラオケでの歌い過ぎにご注意!』より引用(最終確認日:2023年5月12日)
そのため、喉に過剰な負担をかけないように休みながらカラオケを楽しむことが大切です。とりわけ、一人カラオケの場合は立て続けに歌う状態になりやすいので注意しましょう。カラオケによる喉の痛みを緩和する方法について知りたい人たちは以下の記事を参照してください。
担当医に相談しよう
繰り返しになりますが、扁桃腺を切除したからといって、必ずしも歌が上手くなるとは限りません。ただし、個人の身体的な状況に応じて声質に影響が出る場合もあるので、担当医に相談して扁桃腺の切除を判断することが重要です。
歌声に変化が出ることが致命傷となる職業もありますから、焦らずに慎重な決断が求められます。いろいろ調べるなかで個人の体験を参照する場合もあるかもしれませんが、一人ひとりで結果に違いが生じることを忘れてはいけません。後悔のないように最善を尽くしましょう。
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